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消 費 者 物 価

総務省が2020年5月22日に発表した、2020年4月の消費者物価指数(生鮮食料品を除く)(コアCPI)は、前年同月比-0.2%となりました。

前月よりも0.6ポイント下落。3年4か月ぶりにマイナスに転じました。

エネルギー・生鮮食料品を除く総合指数は、様々な要因で著しく動く原油価格の影響を排除するためエネルギーと、天候等の影響で値動きが激しい生鮮食料品を除いた、「物価の基調をみるための指数」ですが、こちらは+0.2%。前月より0.4ポイント下落。

また、グラフにはありませんが、全てを含んだ総合指数でも、前月よりも0.3ポイント下落し+0.1%。

新型コロナの影響で経済活動が減退し、大きく需要が落ち込み、物価が一気に下落しました。

◆4月の主な項目の上昇率は以下のとおりです。
原油価格の大幅下落を受け、灯油、ガソリンのマイナス転換により、エネルギー全体として下落幅が拡大。宿泊料、パック旅行費は下落幅拡大。一方、自宅での食事が増え、生鮮食料品は上昇幅拡大
エネルギー関連を筆頭に、コロナウイルスによる経済活動減退、自粛の影響が出ています。
                 4月 ()内は3月
電気代         ・・・-2.7%(-3.3%)
ガス代         ・・・-1.5%(-1.7%)
灯油          ・・・-9.1%(+2.4%)
ガソリン        ・・・-9.6%(+0.4%)
生鮮食品        ・・・+6.7%(+0.3%)
生鮮品を除く食料    ・・・+1.3%(+1.6%)
家賃          ・・・ 0.0%( 0.0%) 
家具・家事用品     ・・・+2.0%(+2.1%)
教養娯楽用耐久財    ・・・+1.8%(+2.4%)(テレビ等)
教養娯楽サービス     ・・・-0.7%(+0.9%)(宿泊料、パック旅行等)
被服履物        ・・・+1.4%(+1.3%)
保険医療        ・・・+0.5%(+0.7%)
教育          ・・・-10.0%(-7.9%)
通信          ・・・-2.1%(-2.3%)

◆政府は景気の状況について4月23日の"月例経済報告"では、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある。個人消費は、感染症の影響により、急速に減少している。消費者物価は、このところ横ばいとなっている。」の表現にしています。
※10年11か月ぶりに「悪化」の表現となりました。

◆さて、
物価は前年対比で測定され、国の政策によっても大きく変動するため、実態がとても見えにくくなっています。

・2010年4月~ 高校授業料の無償化による、物価下落
・2010年10月~ たばこ税増税で、物価上昇
・2010年冬~ エコポイントによる駆け込み需要の影響で、販売不振。物価下落
・2012年~ 原発停止による、化石燃料購入で原料高となり、電気代上昇
・2013年~ アベノミクスの円安により輸入品の値上がり。
・2014年4月~ 消費税UPによる物価上昇。ガソリンは地球温暖化対策税新設。
・2019年6月~ 携帯通信料金値下げ。
・2019年10月~ 幼児教育無償化による物価下落、消費税増税による上昇

◆資源エネルギー庁によると、レギュラーガソリンの全国平均価格は、2020年4月末現在は、2019年4月の水準よりも19.4円低い、129.0円。

原油価格については、2018年は4月以降アメリカの対イラン経済制裁にともなう情勢の緊迫化により、原油価格が上昇。
10月下旬には160円台に到達したものの、世界経済の景気減速の懸念と、生産量の増加による供給過剰懸念により、下落が続いてきました。
が、2019年秋以降、米中貿易協議の一部合意報道、需要が供給を上回る観測、OPECの協調減産の継続予想やイラン情勢などで原油価格が上昇しました。

しかし、2020年に入り新型コロナウイルスの影響で経済停滞による原油需要減により値下がりを続け、5月先物では一時的に史上初の原油価格がマイナスとなりました。

※2020年5月18日現在の価格は125.5円で前年比-16.3%の下落。

◆日銀は、2013年4月に「物価上昇率の目標を2%を2年程度で達成する」とし、政府と一体になって様々な金融・財政・成長戦略を駆使して2%を目指していくことになりました。

しかし、原油価格の下落が続き、中国経済の悪化など、先行きの不透明感が増したため、2016年1月29日の金融政策決定会合で「マイナス金利を導入する」と決定。

今までは国債や株式などの金融資産の購入による金融緩和を実施してきましたが、原油価格の下落が継続し、物価上昇2%の達成もままならないため、市中銀行が日本銀行にお金を預ける残高の一定部分について、「金利をマイナス」にすることにしました。

「銀行が日銀にお金を預けると、預けた銀行が利息を支払う」ということになるため、民間への貸し出しを促す効果があります。

これによって投資が増え、経済が活性化し、物価が上昇していくシナリオです。

このマイナス金利政策も、金融機関の収益を圧迫する負の効果があるため、2016年9月21日の会議で、「物価が安定的に2%を超えるまでは金融緩和を継続し、新たな目標として、長期金利を0%程度で推移するように国債を買い入れる」と発表しました。

尚、日銀は2020年4月27日公表の"経済・物価情勢の展望"で、消費者物価2%に向けて徐々に上昇率を高めていき、金融政策委員の中央値としては2019年度+0.6%、20年度-0.7~-0.3%、21年度0.0~+0.7%と見込んでいます
※2019年10月には消費税の引き上げと幼児教育無償化がされていますが、上記見込み値はその影響を含めています。

◆グラフにある通り、消費者物価(生鮮食料品を除く)は2008年は一時的に2%を超えましたが、通年では1.5%。
・2014年は消費税の影響で、通年で2.6%の上昇。消費税の影響を除くと1.1%。
・2015年は年間平均で、0.5%上昇。
・2016年は年間平均で、-0.3%下落。エネルギー関連の下落。
・2017年は年間平均で、0.5%上昇。エネルギー関連の上昇。
・2018年は年間平均で、0.9%上昇。エネルギー関連と生鮮食料品の上昇。
・2019年は年間平均で、0.6%上昇。エネルギー関連の下落。

 +2%は遠いですね。

尚、物価の総合的な上昇をみるGDPデフレーターは、
2015年+2.1%
2016年+0.3%
2017年-0.2%
2018年-0.1%
2019年+0.6%(消費税増税の影響:10月~12月)

デフレは解消されていないようです。

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代表 鈴木 聡

(略歴)
1960年生まれ
・FP資格を2000年に取得
・2007年に事務所設立
・お客様の気持ちに寄り添って、人生の夢の実現や家計の課題のアドバイスをしております。​

メディアへの出演、掲載

ラジオへの出演

FMラジオ「K-mix」番組「みんなの課外授業」 の水曜日の回に、2013年4月~6月毎週出演。

雑誌、新聞等への掲載

ファイナンシャルプランナーの立場で、様々な雑誌や新聞で執筆、監修。

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