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◆2024年10月29日にアメリカS&Pが発表した、アメリカの主要な住宅価格指数「S&P/ケース・シラー住宅価格指数」によると、2024年8月の主要10都市平均の指数は、前年同月比+6.0%の上昇となりました。
アメリカの住宅価格は、新型コロナの経済活動停滞の影響で2020年4月から3か月連続で下落したものの7月からは上昇継続。その勢いは2022年6月に一旦止まったものの、2023年1月からは再度上昇。
上昇は継続しているものの、2024年4月以降は上昇幅は5カ月連続で低下しています。
主要20都市平均の指数は、前年同月比+5.2%の上昇。
20都市を都市別にみていくと、前年比では全都市がプラスとなりました。
一方、前月比の伸び率では主要10都市で-0.4%、20都市で-0.3%となり、都市別では20都市の3都市がプラス、17都市がマイナスとなりました。
前月比では8か月ぶりにマイナスとなり、住宅価格は上昇の勢いは減速しています。
◆そして、住宅関連指標でもう一つ重要なのが、住宅着工数。
2024年10月18日にアメリカ商務省が発表した、2024年9月の「住宅着工数」は前年同月比で-0.5%、前月比では-0.7%。戸数は、年率換算で135.4万戸。
また、グラフにはありませんが、この指標の先行指標となる住宅着工許可数は、前年同月比で-5.7%。前月比は-2.9%。戸数は、年率換算で142.8万戸の水準。
★着工数も許可数も2020年7月から2022年4月まで大幅増加したものの、前年比では2022年5月から減少。2023年に入り住宅ローン金利が大きく上昇し、価格も高くなり購入にブレーキが掛かかりました。
◆米連邦準備理事会(FRB)は2022年3月、物価の高騰が続くためFRBは6年3か月ぶりに政策金利を利上げし、2023年も4回利上げされ、これにより短期金利である政策金利は合計+5.50%。
消費者物価の上昇に落ち着きが見られたため、2024年9月に-0.5%の利下げを実施。
2020年3月以来4年半ぶりに利下げをし、5.0%となりました。
一方、長期金利は2022年1月にぐっと上昇し2月中旬には2%を超えたものの、ロシアのウクライナ侵攻で一旦低下。3月中旬から再度2%を超えて上昇、10月中旬からは4%を超えたものの、物価上昇が一息つき今後の利上げが緩やかになるとの予想から、11月中旬以降は3.5%前後。
しかし、2023年2月発表の物価上昇率が高かった為下旬から金利は再上昇し、3月上旬には4.0%まで上昇しましたが、3月中旬に銀行破綻が相次ぎ、金融不安から長期金利は下落し、4月上旬には3.2%まで下落したもののその後上昇し10月には4.9%を超えました。その後物価上昇の落ち着きにより、年末に向けて下落。
2024年は年明けから上昇基調だったものの、5月以降は低下。
(尚、10月以降は景気減速懸念が和らぎ上昇中)
※10年国債金利
2018年末2.7% 2019年末1.9% 2020年末0.9% 2021年末1.5% 2022年末3.9%
2023年末3.9% 2024年10月29日4.2%
30年固定の住宅ローン金利は、2022年1月から上昇を始めたものの、2024年春以降は下降。10月29日は6.6%。
参考:日本の某地銀の2024年10月の30年固定金利は2.15%。
2008年の世界的な不況の大元は、アメリカの住宅バブルの崩壊から始まりました。
そして、新型コロナを端緒とした物価高騰と金利上昇による世界経済への影響が気になります。
今後も推移を見守りたいと思います。
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代表 鈴木 聡
(略歴)
1960年生まれ
・FP資格を2000年に取得
・2007年に事務所設立
・お客様の気持ちに寄り添って、人生の夢の実現や家計の課題のアドバイスをしております。