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米国労働省が2024年11月1日に発表した2024年10月のアメリカの失業率は前月と変わらず4.1%。1年前よりも0.3ポイント悪化。
※FRBは長期的に落ち着く失業率は4.0%と見ていますので、10月はこれより悪化しました。
◆10月の雇用増加は前月比+1.2万人の増加となりました。
※アメリカ南部を襲ったハリケーンの影響による一時帰休、ボーイング社でのストライキにより8~9万人"失業扱い"が計上されています。
リーマンショックからの回復を示す2010年1月~2020年2月までの10年間に2283万人の雇用が増加しましたが、コロナショックは3月、4月の2か月間で2189万人もの雇用を失わせました。
一方で、2020年5月から2024年10月迄の53か間の雇用増加は2866万人となり、コロナショックによる2か月間の失業者数を677万人上回っています。
◆10月の時間当たりの前年比賃金上昇率は+4.0%(前月比変わらず)となりました。(尚、望ましい水準は3%程度とされています)
正規雇用を望みながらパート就業する人も含めた"広義の失業率"は、前年比0.5ポイント悪化、前月比変わらずの7.7%。(A-15)
一方でFRBが物価の目安として注目する9月の個人消費支出(PCE)価格指数の総合:前年比物価上昇率は+2.1%(前月比-0.2ポイント)、そして特に重視されるコア(食品、エネルギーを除く)はグラフのとおり+2.7%(前月比変わらず)。
◆2019年7月10年半ぶりの利下げをし、年内に0.75%の利下げをしました。
そして2020年3月に新型ウイルスによる景気後退から1.5%の利下げしたことで、計2.25%の利下げとなり、政策金利は2015年12月以来の0%程度となりました。
しかし物価高騰の状況からFRBは2022年3月に+0.25%の利上げを開始した以降、年内+4.25%の利上げをし、更に2023年は+1.0%利上げし、+5.25%となりました。
アメリカの雇用は、雇用増加幅が縮小し失業率が上昇傾向を示しました。また物価上昇率、賃金上昇率は鈍化しています。
こうしたことから、FRBは2024年9月に5年ぶりに利下げ(-0.5%)をし、4.75%としました。
アメリカ長期金利(10年国債)
2019年末 1.9%、2020年末 0.9%、2021年末 1.5%
2022年末 3.8%、2023年末 3.9%、2024年11月1日 4.4%
長期金利は2020年に新型コロナによる景気後退で更に低下。3月に史上最低水準(0.5%)まで下落しましたが5月以降徐々に上昇。そしてFRBの金融緩和縮小報告により2021年9月から金利は上昇。
2022年2月上旬にはFRBの利上げ拡大予想により、2.0%台まで上昇したものの、下旬にロシアのウクライナ侵攻により一時下落。
3月下旬から再上昇し8月下旬にはFRB議長が「景気に影響しても物価高抑制のために利上げ拡大」と表明し、9月以降も利上げされたため長期金利は10月以降4%超え。
11月中旬以降は利上げ幅の縮小により3%台に下がったものの、物価上昇が収まらず年末は3.8%へ。
2023年は3月初旬に4%を超え、9月下旬からは4.5%を超え10月下旬には一時5%を超えました。
その後物価上昇が収まりつつあり、FRBの利上げ停止が予想され長期金利は低下し2023年末は3.9%。
2024年は年初から4月まで長期金利は上昇を続け4.7%まで上がりましたが、5月以降景気悪化懸念により下落に転じ9月中旬には3.6%に低下。しかし10月から景気の堅調さを示す経済指標が出て再度上昇し4%を超えました。
◆雇用の悪化は、消費の減退となり、景気悪化につながります。
アメリカは景気悪化となればすぐにレイオフ(一時帰休)しますので、経済状況を見るうえでもアメリカの雇用状況は最も重要な指標となります。
ところで、アメリカの労働状況はアメリカの労働省のホームページに詳しく書かれていて、これを見ると、アメリカらしい統計データが見ることができます。
それは、失業率を人種別に記載している点。
全体では、4.1%(男性4.3%、女性4.0%)としていますが、
・白人 ・・・ 3.8%
・黒人、アフリカ系 ・・・ 5.7%
・アジア系 ・・・ 3.9%
・ヒスパニック、ラテン系 ・・・ 5.1%
よく聞く話しですが、白人は雇用環境は良さそうです。
そしてアジア系も。
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代表 鈴木 聡
(略歴)
1960年生まれ
・FP資格を2000年に取得
・2007年に事務所設立
・お客様の気持ちに寄り添って、人生の夢の実現や家計の課題のアドバイスをしております。